Vol.20 植物ふしぎ発見!どうしてその形になったの?サボテンの巻

GreenJam店主プランツドクター中山の気ままにコラム

今回は植物のカタチについて色々とお話していこうと思います。
まず、園芸植物といっても千差万別あるわけですが、皆それぞれ特徴のある葉の形、色などしているので観賞価値があるのだと思います。

それは、人間の都合でそうなった場合(いわゆる園芸種。人工的に選抜・交配などして作出された品種)と自然界で生き残るために進化した結果のものがあります。
だいたい市場に流通しているものは園芸種なのですが、園芸種と言えども元々は野生の植物なわけですから、ある程度の特徴は原種から受け継いでいるという訳ですね。

サボテンのとげはなぜあるのか?

例えばサボテンなどの棘のある植物。
その棘はなんのためにあるのか?考えたことありますでしょうか?
子供の質問のようで恐縮なのですが、コレをスラッと答えられるのはサボテンの育種家とか研究している先生とか一部の人だけだと思うんですね。
棘についての答えは、「身を護る」 という事が正解なわけですが、何から身を守っているのか?
サボテンを捕食するイグアナとか動物などから身を守る。うん、これも正解です。
だけど足りません。
棘がビシッと付いていれば確かに食欲不振というか食べるのめんどくさそう、ってなるのかもしれません。
でも、サボテンはもっと恐ろしいものから自分の身を守るためにトゲびっしりの姿に進化したのです・・。

その恐ろしいものとは・・日差し!
原産地の砂漠のような、身を隠すものがないところに自生しているサボテンたちは強い日光から身を守る手段がありません。
日陰が無いんです。
直射日光の当たる場所は温度が50℃以上になってしまうような超悪環境。
通常の植物であれば生きられないところに生えています。
そこでサボテンは葉を進化させて棘状にし、体にびっしりと纏うことによって自らに日陰を作って体表面の温度を下げているんです!
それはつまりどういうことかと言うと、棘の美しい種類のサボテンをトゲの美しいままに育てたいのなら強い日光に当てないとトゲが生えてこない、ということなんです!
暗い室内でサボテンがひょろひょろになってしまう理由はそんなことです。
だって強い日差しから身を守る必要がないんですからトゲ、必要ないですよね?

植物の姿には理由がある

つまり、何が言いたいかと言うと。
植物がなぜそのカタチになったのか、興味を持って調べてもらうと
それなりの理由がありますから、そのカタチを保つには自生地の環境に近づけなくてはいけないんですね。
興味を持ち、知ろうとすることが即ち植物の管理方法に直結してきます!
闇雲に自身の経験だけで育てる、ということも可能ではありますが、
失敗を少なく栽培されたいのであれば、まず植物に興味を持つことからはじめてみてはいかがでしょう?
なぜそのカタチなの?
この疑問で植物の栽培方法が変わるかもしれません。

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